二分脊椎症例の膀胱尿管逆流に対する単独療法としての Cohen 法の長期成績に関する検討

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  • LONG-TERM OUTCOME OF MONOTHERAPY BY COHEN URETEROCYSTONEOSTOMY FOR VESICOURETERAL REFLUX IN SPINA BIFIDA PATIENTS

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抄録

(目的) 二分脊椎症例に合併する膀胱尿管逆流症 (VUR) に対する, Cohen 法による尿管膀胱新吻合術単独治療の長期成績について検討した.<br>(対象と方法) 対象は1984年から1989年の間に, VURに対して Cohen 法のみで治療が行われた二分脊椎症例のうち, 5年間以上経過観察が行われた27例 (男性11例, 女性16例, 手術時平均年齢13.4歳) である. 術後は原則として1年ごとに膀胱造影・排泄性尿路造影及び血液検査・尿検査を行い, 最終評価時におけるVUR, 尿路形態異常の有無及び腎機能について調査した. 術後経過観察期間は6年から13年 (平均8.9年) で, 最終評価時年齢は平均22.2歳であった.<br>(結果) 27例42尿管のうち, 22例 (81.5%) 38尿管 (90.5%) でVURが消失していた. 4例4尿管で術後にVURが再発し, 他の1例でVURの新発生が認められた. 術前に水腎症がみられた22例中9例 (40.9%) で改善が認められ, 一方水腎症が増悪した症例はなかった. 術前の血清クレアチニンが2.5mg/dlと高値を示していた1例が術後7年目に末期腎不全となったが, 他に腎機能が増悪した症例はなかった. なお4例において, 術後の膀胱コンプライアンス低下に対して回腸利用膀胱拡大術が施行された.<br>(結論) Cohen 法の逆流防止効果自体は優れており, 膀胱コンプライアンスが良好な症例においては, 治療選択肢のひとつとなり得るものと思われる.

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