二分脊椎症例に対する回腸利用膀胱拡大術における尿管新吻合法としての Le Duc-Camey 法の検討

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  • LE DUC-CAMEY PROCEDURE AS A METHOD OF URETEROILEAL IMPLANTATION ON AUGMENTATION CYSTOPLASTY IN PATIENTS WITH MYELODYSPLASIA

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抄録

(目的) 二分脊椎症患者に対する回腸利用膀胱拡大術における Le Duc-Camey 法を用いた尿管新吻合術の成績について検討した.<br>(対象と方法) 回腸利用膀胱拡大術を行った二分脊椎症例のうち, Le Duc-Camey 法を用いて尿管新吻合を行った, 14症例, 25腎単位を対象とした. 術後経過観中に認められた尿管新吻合に関連した合併症について, その誘因となる可能性のあるものを術前および術後因子に分け検討した. 術前因子としては, 尿管新吻合を必要とした原因疾患, 術前VURの grade, 回腸吻合部の尿管径とし, 術後因子としては膀胱容量, 膀胱コンプライアンス, 利用腸管の蠕動運動による膀胱内圧の最大値とした.<br>(結果) 平均31.6ヵ月の観察期間において, VURが4例4腎単位 (16%) に認められたが, 他の合併症は認められなかった. VUR発生群ではVUR非発生群に比べ, 術前因子で回腸吻合部の尿管径が太い傾向があり (p<0.1), 術後因子では, 利用腸管の蠕動運動による膀胱内圧の最大値が有意に大きかった (術後12ヵ月p<0.05).<br>(結論) 二分脊椎症患者に対する回腸利用膀胱拡大術における Le Duc-Camey 法を用いた尿管新吻合術については, 拡張尿管に対する処置, 術後認められる利用腸管の蠕動運動による膀胱内圧上昇に対する対策などが, 今後の検討課題である.

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