前立腺癌患者に対する手術および放射線治療後のQOLの評価

  • 橋根 勝義
    独立行政法人国立病院機構四国がんセンター泌尿器科
  • 沼田 幸作
    独立行政法人国立病院機構四国がんセンター泌尿器科
  • 小泉 貴裕
    独立行政法人国立病院機構四国がんセンター泌尿器科
  • 東 浩司
    独立行政法人国立病院機構四国がんセンター泌尿器科
  • 住吉 義光
    独立行政法人国立病院機構四国がんセンター泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • HEALTH-RELATED QUALITY OF LIFE AFTER RADICAL PROSTATECTOMY OR RADIOTHERAPY
  • ゼンリツセンガン カンジャ ニ タイスル シュジュツ オヨビ ホウシャセン チリョウ ゴ ノ QOL ノ ヒョウカ

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説明

(目的) SF-36と University of California-Los Angeles Prostate cancer index (UCLA PCI) を使用し, 前立腺癌に対する手術および放射線治療後の Quality of life (QOL) を比較する.<br>(対象および方法) 1992年から2001年までに手術あるいは放射線治療を受けた前立腺癌患者すべてを対象とし, QOL調査表を郵送, 自己記入後に返送してもらった. 手術群143例, 放射線治療群73例より回答を得た. QOL調査時の年齢中央値はそれぞれ70.9, 79.2歳, 治療後QOL調査までの期間中央値はそれぞれ2.7, 2.0年であった.<br>(結果) SF-36の平均スコアは身体機能, 日常役割機能 (身体), 社会生活機能, 心の健康で有意に手術が高く, 全体的健康感のみ放射線が高かった. UCLA PCIの平均スコアは排尿機能と性機能で有意差がみられ排尿機能は放射線治療群が良く, 性機能は手術群が良かった. 多変量解析で治療法が最も関連したのは社会生活機能と心の健康, 性機能であり, 身体機能や日常役割機能, 排尿機能, 性負担感は年齢が最も関連し, 全体的健康感と体の痛みは再発の有無が最も関連していた.<br>(考察) 今回の横断的調査で手術と放射線治療後のQOLに差がみられ, 治療法のみでなく年齢や再発の有無などもQOLに影響している事が明らかとなった. しかし各治療群で背景因子が異なっているため, 正確な情報提供には今後縦断的調査結果の蓄積が必要である.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (25)*注記

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