腎嚢胞性腫瘤に対するMRI及び血管造影の有用性の検討

書誌事項

タイトル別名
  • EVALUATION OF RENAL CYSTIC MASS ON ULTRASONOGRAM AND COMPUTED TOMOGRAM: USEFULNESS OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING AND RENAL ANGIOGRAPHY
  • Category III by Bosniak: Report of 5 Cases
  • Bosniak 分類カテゴリーIIIの5例

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説明

Bosniak 分実類は腎嚢胞性腫瘤のカテゴリー分類であり, 腎嚢胞性腫瘤の取り扱いに有用とされる. カテゴリーIからIVのうち, カテゴリーIIIは画像診断上悪性所見が認められるものの, 良悪性の鑑別が困難な moderately complicated cyst である. 今回, 我々は組織学的検索がなされたカテゴリーIIIに該当する腎嚢胞性腫瘤5例の臨床経過をまとめ, MRI, 腎血管造影の有用性を評価した. 全例にUS, CT, MRIおよび血管造影が行われている.<br>5例中2例が出血性嚢胞で, 他の腎細胞癌 (RCC) であった. MRIでは5例中1例のみが true positive で, false negative が2例にみられた. 血管造影では true positive が2例で, false negative が1例にみられた.<br>MRIは存在診断の補助に有用と思われた. 血管造影はUSやCTでは診断困難な腎嚢胞性腫瘤の診断には必要と思われたが, 特に腫瘍サイズの小さい症例では血管造影の診断能は低下するものと思われた. 我々は今回, US, CT, MRIおよび血管造影でも診断困難な腎嚢胞性腫瘤を2例 (症例1と4) 経験し, うち1例がRCCであった. MRIや血管造影にて悪性所見が認められれば, 外科的な検索は必要と考えられる. しかし, Complicated cyst の診断のための decision tree は未だ確立されておらず, さらに今後の検討が待たれる.

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参考文献 (12)*注記

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