女性化乳房を呈したアロマターゼ産生精巣セルトリ細胞腫の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF AN AROMATASE-PRODUCING SERTOLI CELL TUMOR PRESENTING WITH GYNECOMASTIA
  • 症例報告 女性化乳房を呈したアロマターゼ産生精巣セルトリ細胞腫の1例
  • ショウレイ ホウコク ジョセイカ チブサ オ テイシタ アロマターゼ サンセイセイソウ セルトリ サイボウ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は64歳男性.2012年6月頃より左陰囊内の腫瘤と両側乳房腫大を自覚していた.2013年12月に左精巣腫瘍の疑いで当科紹介された.初診時,両側乳房腫大と左陰囊内に硬い,超鶏卵大の表面平滑な無痛性の腫瘤を認めた.精巣腫瘍の腫瘍マーカーはいずれも正常範囲内であった.内分泌学的検査ではエストラジオール(E2)の著明高値を認めた.2013年12月9日,左精巣腫瘍の疑いで左高位精巣摘除術を施行した.</p><p>病理組織学的所見よりセルトリ細胞腫と診断された.また,各種抗体を用いた免疫染色から腫瘍細胞のアロマターゼ産生を支持する所見を認めた.本症例の女性化乳房は腫瘍組織のエストラジオール産生が原因と考えられた.</p><p>術後,E2は正常化したが,摘出した精巣の病理組織学的検査では悪性を示唆する所見を認めたため,2014年1月28日に後腹膜リンパ節廓清術(RPLND)を施行した.摘出したリンパ節に転移巣は認めなかった.術後,徐々に両側乳房のサイズは縮小し,精巣摘除後1年を経た現在,再発,転移なく経過観察中である.</p>

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