前立腺癌における針生検結果と全摘標本での局在(マッピング)についての比較検討

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タイトル別名
  • COMPARISON LOCALIZATION RESULTS BASED ON PROSTATE BIOPSY SPECIMENS WITH RESULTS BASED ON RADICAL PROSTATECTOMY SPECIMENS IN PROSTATE CANCER
  • ゼンリツセン ガン ニ オケル ハリ セイケン ケッカ ト ゼンテキヒョウホン デ ノ キョクザイ(マッピング)ニ ツイテ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

<p> (目的) 前立腺癌診療ガイドライン(2012年版)では尖部・中部・基部の標準的6カ所にそれぞれの辺縁領域(PZ)外側を6カ所加えた10~12本生検が推奨されている.今回,我々は標準的6カ所とそれぞれのPZ外側を6カ所加えた計12カ所の前立腺生検標本と術後の前立腺全摘標本の局在(マッピング)との比較検討を行った.</p><p> (対象と方法) 2011年1月から2014年7月までに当院で前立腺全摘手術を施行した前立腺癌208例のうち当院で12カ所生検後に手術を施行した139例を対象とした.前立腺針生検は経直腸的に行い,術前生検・術後病理標本はともに同一の病理医にて評価を行った.年齢は52~77歳(中央値68歳).生検時PSAは3.1~84.7ng/ml(中央値7.3ng/ml),摘出重量は17~90g(中央値37g).手術方法は開腹手術:63例,腹腔鏡:12例,ロボット支援下:64例.術前T分類は,cT1c:84例,cT2a:29例,cT2b:15例,cT2c:11例.術前Gleason scoreは,3+3=6:36例,3+4=7:48例,4+3=7:33例,4+4=8:9例,4+5=9:11例,5+4=9:2例.術後T分類は,pT2a:38例,pT2b:12例,pT2c:17例,pT2+:20例,pT3a:47例,pT3b:5例.術後Gleason scoreは,3+3=6:19例,3+4=7:60例,4+3=7:39例,4+4=8:1例,4+5=9:14例,5+4=9:5例,5+5=10:1例であった.</p><p> (結果) 術前生検12カ所と術後標本で同じ部位の癌の有無(局在)の一致率は,12本中:7.11本(中央値),59.2%であった.また,139例中41例(29.5%)にて術後病理でのGleason scoreの増加を認め,術前生検にて片側のみ癌を認めた88例中63例(71.6%)では術後標本にて反対側にも癌を認めた.</p><p> (結論) 生検陽性部位と術後標本とでは必ずしも局在は一致していないことが示唆された.術前にその局在を評価する場合にはMRI等他の検査を併用した評価が必要であると考えられた.</p>

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