成人精巣に発見され精巣温存手術を選択した単一型成熟奇形腫の1例

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タイトル別名
  • TESTIS SPARING SURGERY FOR ADULT MATURE TERATOMA OF THE TESTIS; REPORT OF A CASE
  • 症例報告 成人精巣に発見され精巣温存手術を選択した単一型成熟奇形腫の1例
  • ショウレイ ホウコク セイジンセイソウ ニ ハッケン サレセイソウ オンゾン シュジュツ オ センタク シタ タンイツガタ セイジュク キケイ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は25歳,男性.主訴は左陰囊痛.小学生の頃より左右の精巣の大きさや形状の違いを自覚していたが,放置していた.2011年1月,陰囊痛を自覚し当科受診,触診で左陰囊に有痛性の表面平滑な硬い腫瘤を認めた.採血上,精巣腫瘍マーカーは正常で,超音波断層検査では正常精巣を圧排する形で,陰囊内に囊胞性病変と結節病変を認めた.造影MRIで多囊胞性病変と内部に出血性変化,充実性の結節病変を認めた.以上より,良性腫瘍を疑い精巣温存手術を予定し,術中迅速病理診断で悪性であれば高位精巣摘除術に移行することとした.精巣を冷阻血し,腫瘍を核出した.術中迅速病理診断は成熟奇形腫で,悪性所見がないことより予定通り正常精巣組織を温存した.全割病理検査の結果は単一型成熟奇形腫であった.術後5年経過して再発を認めていない.成人においても,思春期以前に発症したと考えられる成熟奇形腫に対しては精巣温存手術も考慮できる.</p>

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