C型肝炎ウイルスの病原性発現機構

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タイトル別名
  • Pathogenesis of hepatitis C virus
  • Cガタ カンエン ウイルス ノ ビョウゲンセイ ハツゲン キコウ

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抄録

C型肝炎ウイルス(HCV)の感染者は,日本で200万人,全世界で2億人と推定されている.インターフェロンとリバビリンの併用療法により,これまで治療が困難であった1型でウイルス量が高いC型肝炎患者の約5割で著効が期待できるようになってきた.現在,新規の抗ウイルス剤との併用効果が検討されているが,耐性株の出現や副作用等の問題が指摘されている.HCVは慢性持続感染に移行する確率が高く,肝脂肪化から肝線維化を経て高率に肝細胞癌へと進行する.ウイルス感染による炎症反応とウイルス蛋白質の生物活性により病原性を発揮するものと考えられているが,その分子機能は明らかにされていない.HCVのヌクレオキャプシドの構成因子であるコア蛋白質を発現するトランスジェニックマウスでは,脂肪肝や肝細胞癌を発症することが報告されている.本稿では,HCV感染による脂肪肝および肝癌の発症機構を,我々の成績を中心に検証する.

収録刊行物

  • ウイルス

    ウイルス 57 (2), 141-149, 2007

    日本ウイルス学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (82)*注記

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