ボルナウイルス

  • 朝長 啓造
    京都大学 ウイルス研究所 ヒトがんウイルス研究分野

書誌事項

タイトル別名
  • Bornaviruses

説明

モノネガウイルス目に属するボルナウイルス科ボルナウイルス属には,哺乳類に感染するボルナ病ウイルスと鳥類に感染する鳥ボルナウイルスが同定されている.ボルナウイルスは神経系組織に好んで感染することが知られており,自然感染した動物ではさまざまな神経疾患を発症することが明らかとなっている.ボルナ病ウイルスはウマやヒツジの伝染性脳脊髄炎(ボルナ病)の原因であり,中枢神経系への持続感染が特徴である.一方,鳥ボルナウイルスは腺胃拡張症と呼ばれる難治性の消耗性疾患を引き起こす.これまで,ボルナウイルスは遺伝的に良く保存されていると考えられていたが,鳥ボルナウイルスには少なくとも9つの遺伝子型が存在することが報告され,ボルナウイルス属の多様性が明らかになってきている.ボルナウイルスは,細胞核での持続感染や宿主ゲノムへの内在化など,他のRNAウイルスではみられない多くの特徴を有している.本稿では,ボルナウイルスによる疾患に加えて,これまでの研究で明らかとなったユニークなウイルス学的性状について紹介する.

収録刊行物

  • ウイルス

    ウイルス 62 (2), 209-218, 2012

    日本ウイルス学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (73)*注記

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205078260224
  • NII論文ID
    130004470989
  • DOI
    10.2222/jsv.62.209
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BC3sXntVKmsrs%3D
  • ISSN
    18843433
    00426857
  • PubMed
    24153231
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • PubMed
    • CiNii Articles
    • OpenAIRE
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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