閉鎖孔ヘルニア13例の検討

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タイトル別名
  • A Review of 13 Cases of Obturator Hernia
  • ヘイサコウ ヘルニア 13レイ ノ ケントウ

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抄録

2002年4月から2012年12月までに当科で経験した閉鎖孔ヘルニア13例(術後再発3例を含む)を対象に,比較的稀な疾患である閉鎖孔ヘルニアの臨床像を明らかにする目的で,年齢・性別・BMI・術前診断・手術方法・転帰などを検討した結果,平均年齢は78.5歳(48-101歳),全例女性で,平均BMIは16.8 kg/m2(12.6-19.1 kg/m2)であった.閉鎖孔ヘルニアに特徴的とされるHowship-Romberg sign(閉鎖神経を圧迫することで生じる大腿内側を中心とした圧痛の所見)は3例に認めた.全例にCTを施行し,閉鎖孔へのヘルニア脱出を認め,術前診断し得た.手術の内訳は,腹腔鏡手術8例,開腹手術3例,鼠径法2例で,ヘルニア門の閉鎖はメッシュ使用8例,単純閉鎖5例であった.術中所見は係蹄型2例,Richter型10例,ヘルニア内容は全例小腸で,腸管壊死を3例に認めた.再発は3例(全例腹腔鏡,ヘルニア門処理:メッシュ使用2例,単純閉鎖1例)に認めた.自験例は高齢のやせ形女性に多く,骨盤部のCTが術前診断に有用であった.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 35 (4), 273-277, 2013-12-01

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (6)*注記

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