多施設共同研究による非定型大腿骨骨折の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Atypical Femoral Fracture Cases Coupled in a Multicenter Study

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説明

<p>非定型大腿骨骨折(atypical femoral fracture : AFF)は,ビスフォスフォネート(BP)製剤の長期使用,あるいは日本人高齢者における外弯した大腿骨におけるストレス骨折など幾つかの要因が関与している.しかしながら,各施設単独では,まとまった症例数を経験することができないため,当院および関連施設において過去に発生したAFF症例を多施設共同研究として集積した.本研究の目的は,そのデータを解析し,特徴を分類化することである.対象は,多施設で発生したAFF24症例34骨折(両側8例),男性1例,女性23例で,平均年齢73.0歳である.評価項目は,ビスフォスフォネート(BP)製剤使用の有無と使用期間,その他薬剤使用歴,合併症の有無,骨折部位,大腿骨外弯の有無,骨生検パラメータ,骨癒合期間などとした.結果は,BP製剤使用例は19例,投与期間は平均6.1年であった.骨折部位は,転子下16,骨幹部18であり,完全骨折22,不全骨折12であった.また大腿骨外弯ありは16例で,すべて骨幹部に発生していた.骨癒合期間は平均9.0ヶ月であり,完全骨折が平均11.3ヶ月であったのに対し,不全骨折は平均3.7ヶ月であった.全症例をBP関連型:2例,薬剤・合併症型:3例,外弯型:2例,混合型:17例に分類した.本骨折の成因は単一のみでは説明し難く,相互作用による骨質の劣化や,機械的ストレスが絡んだ多因子関与であった.</p>

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 38 (3), 207-214, 2016

    学校法人 産業医科大学

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (10)*注記

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