1,3-ブタジエン捕集用パッシブサンプラーの除湿装置の開発

  • 櫻井 健治
    静岡県立大学大学院 薬食生命科学総合学府 環境科学専攻
  • 三宅 祐一
    静岡県立大学大学院 薬食生命科学総合学府 環境科学専攻
  • 雨谷 敬史
    静岡県立大学大学院 薬食生命科学総合学府 環境科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Dehumidification System for a Passive Sampler for Determining 1,3-Butadiene

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説明

<p>捕集時にポンプを使用しないパッシブサンプラーは,置いておくだけの分子拡散を利用してガス状汚染物質を捕集する装置であり,操作が簡便で電源が要らないなど有用な手法である.しかし,湿度,風などの環境条件の影響を受けるという報告があり問題となっているので,本研究では,世界で初めてパッシブサンプラー用の除湿装置を考案し,その性能を1,3-ブタジエンの捕集で検討した.1,3-ブタジエンは,自動車排出ガスに多く含まれ,また健康影響も大きい大気汚染物質であるが,分解しやすく,その捕集精度が問題となっている化合物である.除湿装置は,ステンレス製のかごに,過塩素酸マグネシウムを充填したもので,過塩素酸マグネシウムはアクティブサンプラー用の除湿剤として既に使用されている除湿剤である.この結果,除湿装置をつけたパッシブサンプラーでは,パッシブサンプラー単独の場合と比較して1.3~2.5倍の捕集量を得ることが分かった.1,3-ブタジエン以外の化合物,例えばキシレンでは,除湿装置が風防装置の役割を果たしたため,捕集量が逆に減少した.これらのことから,1,3-ブタジエンの場合,除湿装置が酸化性の物質も同時に防ぐ可能性が示された.</p>

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 38 (3), 215-221, 2016

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (14)*注記

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