電話交換手がヘッドホンから曝露される音圧の評価

  • 川波 祥子
    産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学
  • 井上 仁郎
    産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学
  • 高橋 公子
    産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学
  • 堀江 正知
    産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学

書誌事項

タイトル別名
  • Assessment of Telephone Operators' Exposure to Sound Through Headphones
  • デンワ コウカンシュ ガ ヘッドホン カラ バクロ サレル オンアツ ノ ヒョウカ

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抄録

電話交換手がヘッドホンから曝露される音圧を, 人工耳および音響測定用マネキンを用いた2段階の方法で測定した. スクリーニングとして実施した人工耳による測定では, 非通話時間を含む8時間の等価音圧レベル(Leq)が81.5dB, 通話時間のみのLeqが89.3dBと高かった. そこで, より作業者のヘッドホン着用に近い状態で測定でき, 鼓膜付近での測定値を外耳道入口での音圧に換算可能なマネキンによる測定(ISO11904-2)を行ったところ, A特性による日本産業衛生学会の等価騒音レベル(LAeq)の許容基準と比較すると得られた修正LAeqは非通話時間を含む8時間で68.3dB, 通話時間だけでは76.6dBであり許容基準を下回った. 今回のような静かな作業場(51.3dBA)での通信業務では, 80dB未満の音声でも良好な信号雑音(S/N)比が得られ, 聴力への影響は小さいことが確かめられた. また, 通話相手の性別, 電話機の種類による曝露音圧の有意差はなかった.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 33 (3), 237-245, 2011

    学校法人 産業医科大学

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