書誌事項
- タイトル別名
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- Biological Monitoring and the Occupational Physician
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説明
鉛と有機溶剤の健康診断に生物学的モニタリングが導入されて四半世紀が経った.今では化学物質取扱業務の労働衛生管理になくてはならないものとなっている.鉛業務従事者に対しては血液中鉛と尿中δ-アミノレブリン酸を,有機溶剤(8種類のみ)業務従事者に対してはそれぞれの尿中代謝物を6か月ごとに1回測定することになっている.特定化学物質については従来の生物学的モニタリングに加えて,平成25年1月から「インジウム化合物」,「エチルベンゼン(塗装業務のみ)」及び「コバルト及びその無機化合物」の生物学的モニタリングが実施されることとなった.本稿では職域における生物学的モニタリングの実施内容と労働衛生管理への利用についてまとめた.一方,一部の有機溶剤健康診断では未だに誤った時間に採尿されている.産業医は正しい生物学的モニタリングを実施することに努める一方,産業医学研究者は採取時間が制限されない生物学的モニタリング指標を開発する必要がある.
収録刊行物
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- Journal of UOEH
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Journal of UOEH 35 (Special_Issue), 97-106, 2013-10-01
学校法人 産業医科大学