脊髄損傷による右部分骨盤切断ならびに左股関節離断の座位保持再獲得のために作製した骨盤義足ソケット

  • 中西 貴江
    産業医科大学 医学部 リハビリテーション医学講座
  • 渡邉 哲朗
    聖マリア病院 リハビリテーション科
  • 池田 篤志
    吉備高原医療リハビリテーションセンター リハビリテーション科
  • 和田 太
    産業医科大学 医学部 リハビリテーション医学講座
  • 蜂須賀 研二
    産業医科大学 医学部 リハビリテーション医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Stabilizing Transpelvic Prosthetic Socket for a Patient with Spinal Cord Injury Sustaining Right Partial Hemipelvectomy and Left Hip Disarticulation

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抄録

脊髄損傷後対麻痺で,右部分骨盤切除と左股関節離断術を施行した患者に対して,骨盤義足ソケットを作製した.重要な問題点は,骨盤切断端が非対称であることによる座位保持困難であった.我々は,座位保持の再獲得を主な目的として,骨盤義足ソケットを作製した.構成は,2重ソケット式で,外側は硬く,内側は柔らかい素材を用いた.特徴として,褥瘡の再発を予防するための圧分散を図り,安定した座位保持のためにソケットをわずかに後方に傾斜させた.加えて,通気孔,排泄管理のための腹部の窓,着脱のための2つのストラップを装備した.また圧分布測定器により断端と装具間の内圧分散を確認し,皮膚損傷の再発を予防した.患者は2ヶ月間の機能訓練を行った後,座位保持を再獲得し,自動車の運転ができるまで日常生活の拡大が可能となった.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 34 (2), 175-182, 2012

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (12)*注記

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