先駆種,遷移中・後期種の混植による法面緑化の初期の生育状況

  • 嶌田 知帆
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻
  • 長島 啓子
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻
  • 高田 研一
    森林再生支援センター
  • 田中 和博
    京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Primary stage of slope revegetated by planting different seral stage broadleaved trees

抄録

本研究では,先駆種,遷移中・後期種の混植を用いた通称自然配植技術による植栽が行われた法面(奈良県岩井川ダム道路の採石場跡法面)において,先駆種が優占する初期緑化目標群落が形成されているか,及び階層構造が発達しつつあるかを確認するためのモニタリング調査を行った。現地調査はH18~H19 年にかけてヤマハゼ,エドヒガン,ハゼノキ,ヤマザクラ,ケヤキ,イロハモミジ,モミ,ヤブツバキ,モチノキ等の植栽が実施された防鹿柵内の全ての木本植物43 種を対象にH23 年に行った。H23 年調査時の生残率は66.1%であった。調査は過去にH21 年にも行われ,樹高階別本数分布をH21 年のモニタリングデータと比較すると先駆種と中期種は全体的に樹高階の高い方へ移行していた。一方,後期種は両年とも低い樹高階に分布していた。また,樹冠面積割合では先駆種が59.0% と最も大きく,中期種は36.1%,後期種は4.9% と,遷移段階の間に差がみられ,樹冠投影図では主に先駆種が林冠を占めていた。以上のことから,対象地が初期緑化目標群落を形成し,複層林化が進んでいることが示された。

収録刊行物

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参考文献 (7)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205085013504
  • NII論文ID
    130004704910
  • DOI
    10.7211/jjsrt.39.422
  • ISSN
    18843670
    09167439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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