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- 佐藤 兆志
- 産業医科大学放射線科学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- MRI or Normal Pituitary Glands and Their Surrounding Structures
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説明
正常者332名の下垂体とその周辺のMRI像における年齢, 性との関係, 正常変異について検討した. 下垂体の高さは, 男女共に10-19歳で最大を示しホルモン活動との間に密接な関係があることが示唆された. 加齢と共に下垂体の横径は減少し, 海綿静脈洞の横径は増加する傾向がみられた. 下垂体の上面の形態は30歳以下の女性に凸面を示すものが多く, 下垂体柄の偏位は50歳以上の高齢者に多く見られた. 下垂体の前菜は生後1カ月以内の2例を除き全て橋または大脳灰白質と同信号を呈したが後葉の大多数はこれより明らかに高信号を示していた. 海綿静脈洞の内側の硬膜の描出率は低率であった. primary empty sellaは4.5%にみられ高齢者に多く認められた. 下垂体およびその周辺構造はMRI上, 年齢, 性による変化が大きくまた正常変異も多く存在するので画像診断にあたっては慎重でなければならない.
収録刊行物
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- Journal of UOEH
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Journal of UOEH 13 (4), 295-311, 1991
学校法人 産業医科大学