電界脱離質量分析法によるフェノール系ノボラック樹脂の分析

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  • Analysis of Phenolic Novolac Resins by Field Desorption Mass Spectrometry

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フェノールノボラック樹脂, アルキルフェノール類ノボラック樹脂, フェノール-P-tert-ブチルフェノール (PtBP) 共縮合ノボラック樹脂, エポキシ化フェノールノボラック樹脂のFD-MSスペクトルを測定し, 構造とスペクトルとの対応について比較検討した。その結果, いずれのスペクトルにも繰り返し質量単位差の一連の分子イオンピークM+群が観測され, GPC等従来の分析手段では分離不可能であった分子量1000前後の多核体についても明確に分離同定ができることがわかった。特にフェノールノボラック樹脂では触媒やF/Pモル比等反応条件の差が明確にスペクトルパターンに反映して観測され, アルキルフェノール・ボラック樹脂では高多核体において (M+1) + (M+2) +の擬分子イオンピーク強度が強くなり, アルキル基の水素がイオン化に影響を与えていることが示唆された。フェノール・PtBP共縮合ノボラック樹脂では検出された分子イオンのフェノール及びPtBPの分子量がM=106p+162q-12 (p, qはそれぞれフェノール, PtBPの縮合モル数) の関係式から簡単に算出でき, 従来全く分離同定が不可能であった共縮合樹脂の分子種解析の有効な手段であることがわかった。また, エポキシ化フェノールノボラック脂樹ではエポキシ樹脂のFD-MSスペクトルに観測された各種不純物ピークも認められ, フェノール樹脂及びエポキシ樹脂両者の基本構造を反映したスペクトルパターンが得られることが明らかになった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205089588352
  • NII論文ID
    130006886047
  • DOI
    10.11364/networkpolymer1980.2.12
  • ISSN
    21865361
    03884384
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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