20世紀初頭華北産棉地帯の再形成

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タイトル別名
  • Restructuring of the cotton-producing districts in North China at the beginning of the 20th century
  • 20セイキ ショトウ カホクサン ワタ チタイ ノ サイケイセイ

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抄録

本稿の課題は,1910年代の華北の棉花生産と棉花の質に焦点を当て,世界棉花市場との関係の中で,どのように棉花生産が展開され,どのような産棉地帯が形成されたのかを検討することである。第1節では,東アジア・欧米市場と華北の棉花生産との関係に注目し,各市場で求められた棉花の質に注目しながら天津棉花の輸出要因を考察し,天津から日本・欧米向けに輸出された棉花の質を検討し,天津から各市場にそれぞれ異なる質の棉花が輸出されていたことを示す。第2節では,1910年代に形成された各産棉地帯の棉花生産を考察し,それぞれの地域における棉花生産と機械製綿糸の流入の関係を検討し,華北では華中とは異なる棉花と機械製綿糸の関係が形成されていたことを指摘する。以上の検討を通して,1920年代以降の前史としての1910年代ではなく,1920年代以降の華北紡績業と産棉地帯の発展の方向性を規定した1910年代の意義を明らかにする。

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