東京都区部の商店街における「共同参加型」アンテナショップの維持メカニズム : ハッピーロード大山商店街「とれたて村」を事例に

書誌事項

タイトル別名
  • The Mechanism of Maintaining a "Jointly Operated" Antenna Shop on a Shopping Street in a Ward of Tokyo : A Case Example of "Toretate Mura" on the Happy Road Oyama Shopping Street
  • トウキョウトクブ ノ ショウテンガイ ニ オケル 「 キョウドウ サンカガタ 」 アンテナショップ ノ イジ メカニズム : ハッピーロード タイザン ショウテンガイ 「 トレタテムラ 」 オ ジレイ ニ

この論文をさがす

抄録

本稿は,1990年以降に東京都区部で増加したアンテナショップのうち,商店街が設置・運営を担い,複数の地方自治体が参加する店舗を研究対象として,店舗の運営システム,商店街と参加自治体の運営・参加目的や評価を分析した上で,店舗の維持メカニズムを考察したものである.本稿で対象とした事例は,板橋区に立地するアンテナショップ「とれたて村」であり,店舗の運営を担うハッピーロード大山商店街振興組合と「とれたて村」の店員,参加する12市町への聞取り調査などを実施した.その結果,「とれたて村」は大山商店街の空き店舗対策事業を活用して整備され,大山商店街は顧客に新たな付加価値と集客効果を,参加自治体は,低リスク・低コストで出店できるメリットを得ていた.出店の顕著な効果を実感できていない参加自治体もみられたが,参加自治体の「とれたて村」に対する参加姿勢は多様であり,4タイプで評価が分かれた.このうち,大山商店街の方針に柔軟な対応を見せた参加自治体では,自治体別売上高が高い傾向にあった.「とれたて村」では,運営基盤の安定と参加自治体数の維持・増加という要素から,維持メカニズムが構成されている.運営基盤の安定は,大山商店街の黒字経営によって担保され,参加自治体数の増加と販売戦略の導入が,収益の確保に寄与していた.自主運営型と比べて,低リスク・低コストである点に共同参加型アンテナショップのメリットがある.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ