本四3架橋を交通基盤とした地域連携軸戦略と交流・連携活動の実態(<特集>日本経済のリストラクチャリングと雇用の地理)

書誌事項

タイトル別名
  • Plans of Regional Cooperation Corridors and Activities with way of Exchange and Collaboration on the 3-Bridges Linking Honshu and Shikoku(<Special Issue>Restructuring of Japanese Economy and Its Impact on Geography of Employment)
  • 本四3架橋を交通基盤とした地域連携軸戦略と交流・連携活動の実態
  • ホンシ 3 カキョウ オ コウツウ キバン ト シタ チイキ レンケイジク センリャク ト コウリュウ レンケイ カツドウ ノ ジッタイ

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抄録

本稿は,地域連携軸に関する理論的研究を踏まえ,本四3架橋を交通基盤として構想された地域連携軸戦略であるT・TAT地域連携軸と西日本中央連携軸,中四国地域連携軸を対象として,その構想過程と交流・連携活動の実態,発展要因,空間的特徴を解明するとともに,複数の地域連携軸によって構成される広域交流圏についても,その構想過程および交流・連携活動の実態を解明したものである.3つの地域連携軸を比較すると,西日本中央連携軸の交流・連携活動は活発で,活動範囲も地域全体に広がっているのに対し,T・TAT地域連携軸および中四国地域連携軸は関係府県の啓発活動にもかかわらず,活動範囲は架橋周辺地域に限定されている.これらの構想・具体化過程や特色の分析から,地域連携軸の発展要因として,(1)地域連携軸事例調査の実施,(2)高速交通基盤の整備,(3)活動資金の支援,(4)推進体制の確立,(5)キーパーソンの存在,(6)事務局の存在,の6つが重要であることがあきらかとなった.本四3架橋の完成後に,地域連携軸戦略を受ける形で,3つの地域連携軸により構成される広域交流圏戦略が構想され,交流・連携活動もはじまった.ここでは,地域連携軸戦略の具体化過程で獲得された交流・連携活動の知見や手法が継承された.また,生活圏では,移動・交流の実態に応じて協力関係が生み出されたのに対して,地域連携軸や広域交流圏は,自治体や企業,市民団体などが主体的な交流・連携活動を実施することにより,それまで想定されなかったような行政効果および経済効果を創出することで新たな地域発展の可能性を切り開こうとする創造的な戦略と位置づけられる.

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