わが国造船業の立地再編に関する一考察 : 1970年代中盤から80年代後半を中心として

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  • An Analysis of Reconstruction of Ship-building Industry in Japan for the Last Two Decades.
  • ワガクニ ゾウセンギョウ ノ リッチ サイヘン ニ カンスル イチコウサツ 1

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抄録

本稿は, 高度成長末期から構造不況期にかけてのわが国造船業を例に, 造船市場の変化とそれに伴う資本相互の競争関係に着目しながら, 造船所の立地再編分析を試みるものである. わが国造船業の立地・配置は, 2度にわたる造船再編政策により大きく変化したが, 政策は単なる立地再編の契機にすぎず, 立地再編自体は, 受注量や船種, 船型の変化に伴う造船市場をめぐる資本相互の競争関係に規定された. 各資本は, この集約化を契機に, その時々の造船市揚に対応した建造体制を整備し, 大手資本では造船不況後崩壊しつつあった船種船型別分業生産体制の再構築を図る一方, 中小資本では, 一部の有力中小資本が零細中小資本を系列下に組織し, 独自に建造能力の拡大・集中化を図った. その結果, わが国造船所の立地・配飯は, 各地域によって特徴づけられ, 総じて九州北部や瀬戸内を中心とした西日本にシフトする傾向を強めた.

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