ストロンチウム・マンガン複酸化物の合成

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  • Synthesis of Strontium-Manganese Double Oxides
  • ストロンチウム マンガンフクサンカブツ ノ ゴウセイ

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抄録

マンガンとストロンチウムとからなる数種類の新しい複酸化物を合成し, それぞれの最適合成条件, 性状,結晶構造およびそれら相互の相関関係を明らかにした。<BR>それぞれの混合比の反応体を空気中で 1200℃ 以下の比較的低温度に加熱するとα-SrMnO3 (六方晶系, 高温型 BaMnO3 と同形の a0=5.447±0.001Å, c0=9.081±0.002Å), α-Sr2MnO4 および SrMn3Ox (x=5.6~6.0) が得られる。<BR>さらに高温度ではβ-SrMnO3 (立方晶系ぺロブスカイト構造, a0=3.8057±0.0003Å), β-Sr2MnO4 (正方晶系, K2NiF4 と同形, a0=3.787±0.001Å, c0=12.495±0.005Å) および Sr3Mn2O7 (正方晶系, Sr3Ti2O7 と同形, a0=3.801±0.001Å, c0=20.06±0.001Å) が生成するが, β-SrMnO3 は急冷しないと, α-SrMnO3 に転移する。一方, 1400~1500℃ の狭い温度域で Sr4Mn3O10 が生成する。これらの生成物のうち, α-Sr2MnO4, SrMn3Ox (x=5.6~6.0), β-SrMnO3, Sr3Mn2O7, Sr4Mn3O10 は従来まったく知られていない化合物である。<BR>反応体を窒素中で加熱するといずれの混合比でもβ-Sr2MnO4 が優先的にしかも空気中におけるよりも著しく低い程度で生成する。炭酸ガス中で加熱するとβ-SrMnO3 が同様に優先的に生成する。さらに各複酸化物の結晶構造の相関関係についても検討した。β-Sr2MnO4 はペロブスカイト構造であるβ-SrMnO3 の一単位毎に一層の SrO が挿入された構造であり, Sr3Mn2O7はβ-SrMnO3 の二単位毎に一層の SrO がはさまれた構造である。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 73 (6), 1097-1103, 1970

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (1)*注記

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