Graphitization and Wet Oxidizability of Heat-treated Anthracene

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  • 無煙炭の黒鉛化と湿式酸化反応性

Abstract

炭素の化学反応性とその構造との相関性を明らかにする研究の一環として,既に報告した石油コークスに引続いて,黒鉛化の挙動の異なる無煙炭を選び,黒鉛化の程度と,重クロム酸カリウムのリン酸溶液による湿式酸化反応との関係を調べた。1100,1380,1660,1950,2250,2600,2800℃ で加熱処理した無煙炭の(002)面間距離はそれぞれ,3.534,3.472,3.449,3.431,3.423,3.385,3.378Å であった。これら黒鉛化した試料を69~89℃ の温度で重クロム酸カリウムのリン酸溶液と反応させた。炭酸ガスの発生量と時間の関係がほぼ直線になるので, この勾配を反応速度とした。反応速度は黒鉛化が進むほど大きくなる傾向にある。加熱処理温度が2250℃ までの試料では反応速度の増加はわずかであるが,それ以上の温度のものでは反応速度の増加の程度が大きくなる。活性化エネルギーと黒鉛化度との関係は反応速度との関係に似ている。2200℃ までのわずかな反応性の増加は,無定形炭素自体の構造変化であり,それ以上の温度は3次元構造への移行による黒鉛構造の反応への関与と考えられる。

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