The Processes of the Crystal Formation of Titaniumdioxide by Hydrolysis of Titaniumtetrachloride and the Physical Properties of the Crystal

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  • 四塩化チタンの加水分解による酸化チタンの結晶生成過程とその物性

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四塩化チタンを加水分解する際に, 四塩化チタンの重量モル濃度を0.42~5.27mol/1000g H2O の間で変えて結晶の生成過程にっいて調べた。その結果, 四塩化チタンの重量モル濃度が1~5mol/1000g H2O のあたりでは結晶の粒径が10~30μ にも及び,結晶型はルチル型となり, 四塩化チタンの濃度が0.7~0.4mol/1000g H2O のあたりでは結晶の粒径が0.1~0.5μ になり, 結晶型はアナターゼ型を示す。その間の1.0~0.7mol/1000g H2O ではルチルとアナターゼの混合物が得られる。これらの結晶生成過程は液相からの核生成過程とそれに続いておこる結晶生長過程にわけて説明することができる。H2O 1000gに対して四塩化チタンの濃度が1~5molのところでは核生成後の結晶生長が支配的に, 濃度が0.7~0.4mol のところでは核生成過程が得られる粒子に支配的な影響を与える。濃度が2.6~1.3molのところの反応を進行させながら生成物をぬき出して重量と粒子直径と結晶型を測定した結果,液相から急速に核生成が起こる初期においては,粒子直径も小さくアナターゼ型になっているが2~3時間後はそのまわりに結晶の生長が起こっており, それはルチル型になっていることが判明した。濃度が0.70mol 以下のところでは核生成が急速に進んで1時間でほとんど反応が終ってしまい,そのまわりに結晶の生長が認められず,生成物はアナターゼ型である。生成物の析出量Xと時間との関係から濃度の高いところではX∝t2.3となり,結晶表面の化学反応と結晶表面への拡散が律速であることがわかった。<BR>詳細な考察の結果,自由エネルギーの減少速度が極大をとる核生成過程では,ルチル型より規則性の低い準安定なアナターゼ型の原子配列をとり,自由エネルギーが徐々に平衝にむかって進行する結晶生長過程では規則性の高い安定なルチル型の原子配列をとる。<BR>反応系にルチルの種結晶を添加した場合,アナターゼのでぎる条件でもルチルができてくる。これは,種結晶の表面のcriticalpointからの生長を考えれば上述と同様に説明できる。得られた酸化チタンの電気伝導性と光電導性を測定し結晶の欠陥の変化にっいて調べた結果,アナターゼは一般に電気伝導性が高く,従って格子欠陥が多く,徐々に成長したルチルは電気伝導性が低く,格子欠陥が少なくなく,上述の結晶の生成機構を支持することがわかった。

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