保護コロイドとしてのポリビニルアルコールの性質

書誌事項

タイトル別名
  • Properties of Polyvinyl Alcohol as a Protective Colloid

説明

写真乳剤たポリビニルアルコール(PVA)を利用しその保護コロイドとしての安定性を検討するため,一般の親水コロイドの金数を測定する方法を使って種々のPVAの保護作用をゼラチンの場合と此較した。これには塩化ナトリウム溶液を添加した際の金ゾルの変色状態を分光光度計を用い,一定波長の光に対する透過率を測定して比較を行なった。種々のPVAについて室温における金数の測定と室温以上80℃までの各温度において,広範囲の濃度に対する透過率の変化を観測した結果, 完全にケン化されたPVAは試料の僅かの性質の差により広範囲の金数値(1~60)をもち, そして一様に60℃ 以上の温度において保護作用を減じた。PVAは分子構造上多数のOH基を含有しているが,疎水コロイド面への凝着すなわち不可逆的皮膜形成能に劣り,かえって疎水基を多少有する部分ケン化PVAにおいてすぐれた保護作用が示された。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 65 (10), 1609-1613, 1962

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (2)*注記

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