ストロンチウム・マンガン複酸化物, SrMnO<SUB>3</SUB>-δ (δ=0~0.5) の酸素欠損と結晶変化

書誌事項

タイトル別名
  • Modification and Oxygen Deficiency of Strontium Manganese Double Oxides, SrMnO<SUB>3-δ</SUB> (δ=0-0.5)
  • ストロンチウム マンガンフクサンカブツ , SrMnO3-デルタ デルタ 0 0.5 ノ サンソ ケッソン ト ケッショウ ヘンカ

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抄録

SrMnO3-δ (δ=0~0.5) なる組成を有する4種類の複酸化物について, 生成時の雰囲気を精細に制御してそれぞれの化合物の生成条件を調べ, そのさいに生成する酸素欠損型化合物の構造, 性状ならびに欠損の消滅現象について研究を行ない, 各化合物相互の間の結晶転移の状況を明らかにした。<BR>酸素欠損を有する立方晶系ペロブスカイト構造のβ-SrMnO3-δ (δ<O.3) は原料反応体を空気中で 1500℃ 以上に加熱し室温まで急冷するか, 高純度炭酸ガス中で 1000~1100℃ に加熱し室温まで急冷するさいに得られる。β-SrMnO3-δを空気中で加熱すると 300℃ 付近で酸素を吸収して欠損が消滅し, 900℃ 付近でα-相に転移し, さらに昇温すると 1400℃ 以上で再び酸素を放出してβ-SrMnO3-δ となる。これを徐冷すると可逆的に酸素を吸収してα-SrMnO3になる。γ-SrMnO3 (六方晶系, 高温型 BaTiO3 構造, a0=5.460Å, c0=13.45Å) は炭酸ストロンチウムと炭酸マンガンの等モル混合物をわずかに酸素を含有する炭酸ガス雰囲気で 1000~1100℃ に加熱して得られる。その格子定数は高圧下で合成されたものに比べてやや大きく, 空気中で加熱すると 500℃ 付近から徐々にα-SrMnO3 に転移する。<BR>ブラウンミラライト構造の SrMnO2.5 (斜方晶系, a0=5.513Å, b0=15.21Å, c0=5.369Å) はα-SrMnO3 を窒素ガス中で, 1500℃ に加熱して得られる。これは空気中で加熱すると 300℃ 付近で酸素を吸収して β-SrMnO3 になる。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 73 (6), 1103-1110, 1970

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (4)*注記

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