ポリローダニンの熱処理生成物の電導性

書誌事項

タイトル別名
  • Electrical Conductivity of a Pyrolytic Polyrhodamine

説明

主鎖にローダニン環を含むポリマーの熱処理により電導性の高まることが認められた。比抵抗3.0×1013Ωcmのポリローダニンを窒素気流中300~700℃で熱処理すると550℃における処理生成物の比抵抗2.0×1011Ωcm,600℃の処理生成物の比抵抗4.0×107Ωcmと急に電導性が良くなる。400℃における生成物の赤外吸収スペクトルよりローダニン環のン能VC=Oの吸収1725cm-1,〓の吸収1160cm-1が,500℃にてVN-C-Sの吸収1510cm-1がそれぞれ消失し,VC=Nの吸収1600~1620cm-1が強くなり濃硫酸にも不溶となる。熱処理温度を一定にして処理時間を変えても電導性および成分組成もほとんど変わらなかった。生成物のエネルギーギヤップは式1より0.10~0.86eVであった。P-フェニレンビスローダニン(PBR)の窒素気流中での熱処理において生成した低沸点成分でトラップに捕集された微量成分のなかに2100cm-1に強い吸収がありこれはイソチオシアナート基あるいはイソシアナート基を含む。これはポリマーの熱処理においても2240cm-1に強い吸収があり類似のスペクトルを示す。PBRおよびフェニルローダニンとベンズアルデヒドとの縮合生成物の質量分析によりP-フェニレンジイソチオシアナート,P-フ,p-フェニレンジイソシアナートおよびフェニルイソチオシアナート,フェニルイソシアナートをそれぞれ確認した。ポリマーの熱分解ではCOS,H2S,CS2,COおよびCO2が確認された。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 72 (5), 1189-1193, 1969

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (1)*注記

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