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- 山田 瑛
- 東京理科大学化学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- The Poly-condensation Reaction of Dicyandiamide with Formaldehyde.
説明
ジシアンジアミド・ホルマリン縮合樹脂の構造,ならびにジシアンジアミドのホルマリンに対する反応性を明らかにするために,生成樹脂の元素分析,赤外線吸収スペクトルよりメチレン結合,エーテル結合による2官能性縮合樹脂であり,ホルマリンが多量の条件で生成された樹脂は遊離のメチロール基を含み,ジシアンジアミドとして3官能性の状態をとることを予測出来る結果であり,生成樹脂の熱水によるホルマリン抽出の試みでも以上の結果を支持した。ジシアンジアミド水溶液の酸・塩基滴定曲線は,尿素と近似し強塩基に対し若干緩衝作用を有する。ホルマリンとの反応溶液のpHは時間とともに8.5~8.8に収斂し, 塩基性の場合, ホルマリンのカニッツアロ反応によって急速にp H が降下し, 酸性側よりはグアニル尿素塩生成による中和反応のために徐々にp H が上昇する。メチロール化物の定量は改良亜硫酸ソーダ法が適し,pH9.0を終点とする塩基滴定がよい結果を示した。重合の推移はまずメチロール化反応がきわめて速かに進行し,後脱ホルマリン反応のため平衡状態が成立する。この状態はpHの影響が大である。後メチレン化反応が零次反応として進行する。その間メチレン化物は未反応ホルマリンと平衡状態を持続しながら並行的に両者は減少する。同一温度範囲で両反応を同時に追跡することは困難であり,メチロール化反応は60~70℃の間で求められ2次反応であることを予想する結果であり,メチレン化反応は60~100℃の間で零次反応であり,80~100℃の間で求められた活性化エネルギーは21.6kcal/molであった。70℃で求められた両反応速度比は300でメチロール反応が速いことがわかった。
収録刊行物
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- 工業化学雑誌
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工業化学雑誌 62 (8), 1161-1168, 1959
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205123258496
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- NII論文ID
- 130004274436
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- ISSN
- 21850860
- 00232734
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可