Chemical Reaction of Mercaptan on Brass Surface

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  • メルカプト基をもつ化合物の真鍮表面における化学反応

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ゴムと真鍮の接着機構を明らかにするため,メルカプト基をもつゴムのモデルとしてチオフェノールを選び,チオフェノールと真鍮粉を150℃ で反応させ,アルコールで十分洗浄した後熱天秤で温度変化に伴なう重量変化を測定した。その結果250~260℃で急激な重量の減少が見られた。比較のためチオフェノールと銅または亜鉛を反応させ,銅フェニルメルカプチド,亜鉛フェニルメルカプチドを合成し,同様に熱天秤で温度変化に伴なう重量変化を測定した。その結果亜鉛メルカプチドは重量減少点が明瞭でないが,銅メルカプチドでは250~260℃ で分解し,急激に重量が減少する。この分解曲線は真鍮粉とチオフェノ一ルを反応させた試料の分解曲線と一致する。真鍮粉とチオフェノールを反応させる際副生する硫化フェニル類および銅または亜鉛の硫化物についても熱天秤で温度変化に伴なう重量変化を測定したが,いずれも250~260℃ で重量の減少が認められない。以上のことからメルカプト基をもつ化合物は真鍮表面で銅と反応して銅メルカプチドまたはこれに類似する化合物をつくるものと考えられ,ゴム中にメルカプト基が存在する場合も真鍮と反応して同様の化学結合をつくるために,強力な接着がえられるものと考えられる。

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