第2次酢酸繊維素の比容と燃焼熱ならびに繊維素水酸基の酢化熱

  • 須加井 潔
    名古屋大学工学部応用化学科高分子化学研究室
  • 香川 毓美
    名古屋大学工学部応用化学科高分子化学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Specific Volume and Heat of Combustion of Secondary Cellulose Acetates Determination of Acetylation Heat for Hydroxy Groups of Cellulose

説明

第1級および第2級の酢酸基組成を種々異にし,かつ無定形とみなされる各種の中間酢化物を用いて,その比重および燃焼熱を測定した。これより分子容と分子生成熱を求め,酢酸基組成の実測結果に基いて各酢酸基の分子容ならびに各水酸基の酢化熱に関する精細な検討を試みた。その結果,酢酸繊維素の分子容には良好な加成性が成立し,繊維素の分子容と各酢酸基のそれとに分離できることを確認するとともに,第1級酢酸基の分子容は41.1であるに対して,第2級のそれは35.9にすぎないことを明らかにした。ついで分子生成熱に関しても加成性の成立を認め,更に酢化熱を2種の水酸基について分離決定することに成功した。すなわち, 第1級水酸基の酢化熱は-3.03kcal/mol(発熱) であるに対して,第2級のそれは4.76kcal/mol(吸熱)なることを明らかにした。この結果は反応速度論的に求められた先人の値ともきわめてよい一致を示し,繊維素水酸基の反応性に関する従来よりの宿題に確実な結論を与え得たものと考えられる。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 61 (10), 1309-1312, 1958

    The Chemical Society of Japan

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