焼成時の生石灰の収縮に与える石灰石中の不純物の影響

  • 田川 博章
    日本カーバイド工業株式会社魚津工場研究所
  • 菅原 秀夫
    日本カーバイド工業株式会社魚津工場研究所
  • 藤森 寛治
    日本カーバイド工業株式会社魚津工場研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Impurities on the Shrinkage of Limestone during Burning.

抄録

地の異なる石灰石では収縮の状況に差異が現われるが,その原因として石灰石の結晶の集合状態,不純物の種類,量,分布状態の違いが考えられる。この研究は不純物が収縮に与える影響を明らかにするため,石灰石中の不純物の形態焼成後の変化について顕微鏡を使って調べ,一方炭酸カルシウムと不純物の主成分と考えられる酸化鉄,アルミナ,酸化ケイ素との混合物をつくり収縮の挙動を調べた。<BR>石灰石の不純物としては酸化鉄,粘土鉱物,石英,長石などが顕微鏡で認められ,一般に石灰石の結晶粒の間に粒状あるいは脉状で存在する。焼成されるといずれもCaOと反応してカルシウム塩となる。生成物としては2CaO・Fe2O3,3CaO・Al2O3,5CaO・3Al2O3,3CaO・SiO2,βとγ型の2CaO・SiO2などが見出された。また成型物の焼成による嵩密度の変化からFe2O3,SiO2は嵩密度の増大が著しいが,Al2O3はそれほど大きくない。2種類添加されたものではCaOFe2O3-SiO2の系の収縮が大きいが,Al2O3がその一成分に入ると収縮の抑制作用をすることが認められた。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 62 (12), 1809-1815, 1959

    The Chemical Society of Japan

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