デンプン(またはパルプ)-有機溶媒-水系における水酸化ナトリウムの分配と誘導体の製造

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タイトル別名
  • Distribution of NaOH in Starch (or Pulp)-Solvent-Water Systems and the Preparation of Starch (or Cellulose) Derivatives

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説明

表題の系における水酸化ナトリウムのデンプン(またはパルプ)相と外部溶媒相に対する分配は溶媒の種類,濃度によって大きな差違を示し,このような系を用いて誘導体を製造する場合,溶媒の極性がイソプロパノール,アセトン程度であることが適当である。これらの溶媒系では,水酸化ナトリウムの分配関係が特異であって,固体相に対する分配量をx(mol/kg),溶媒相における水酸化ナトリウム濃度をc(N)とし,logx~logcを描くと,x<6~7ではx=kcnのFreundlich型の吸着がおこなわれがる,x<6~8付近よりlogx~logc曲線は逆転し,cはx<6~8のときより急減する。これはC6H10O5・NaOHコンプレックスの生成と,それにつづく極度な膨潤に対応した現象である。極性の大きいメタノールやエタノールではこのような逆転現象は見られず,kの値も小さい。誘導体製造時の反応率,反応効率は水酸化ナトリウムの分配関係によって根本的な影響をうける。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 66 (12), 1880-1885, 1963

    The Chemical Society of Japan

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