ポリ塩化ビニルの赤外吸収スペクトルの温度変化(I) 融点付近の挙動

書誌事項

タイトル別名
  • Temperature-dependency of Infrared Spectra of Polyvinyl Chloride. I. Behavior around the Melting Point

抄録

広い温度範囲でポリ塩化ビニル(PVC) の赤外吸収スベクトル(IR) を測定した。測定は窒素気流中で行なったが, これは試料の熱分解を防ぐためである。一般に種々の吸収バンドの吸光度は広い温度範囲で徐々に変化する。これよりポリマー鎖の形態変化,結晶の融解も徐々にこの温度領域で起こると考えられる。635cm-1の吸収バソドは融点で消滅するので,これよりPVCの融点が測定できる。通常の温度で重合したPVCの融点は195~200℃である。重合温度が低下するにつれてPVCの融点は上昇し遂には試料の熱分解のため測定できなくなる。塩素化PVCの融点は塩素含量が大なる程低下する。しかし塩化ビニル(VCl)-アクリロニトリル(AN) 共重合物程は低下せず, これよりも塩素化は主に非晶領域で不均一に起こっていると判断できる。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 66 (6), 878-881, 1963

    The Chemical Society of Japan

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