チタン-ヨウ素系に関する研究

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タイトル別名
  • On the Systems of Titanium-Iodine.

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説明

金属チタンとヨウ素との反応を, ガラス製スプリングマノメーターを用いて測定し, 約130℃付近から四ヨウ化チタンの生ずることを確かめ,さらに四ヨウ化チタンの蒸気圧を測定して,その熱力学的性質を明らかにした。<BR>さらに, 金属チタンと四ヨウ化チタンとの反応を, 透明石英製スプリングマノメーターを用いて測定し, 約400℃付近より反応が開始し, まずTiI2(s) を生ずることを確かめ, この際四ヨウ化チタン過剰の場合は, 約300℃ 以下で、TiI2(s)とTiI4(g)とが反応して,TiI3(s)を生ずること,また金属チタン過剰の場合は,TiI2(s)はさらにTiに還元されて,TiI(s)を生成することを明らかにした。TiI(s)の存在は,この研究で初めて報ぜられたものである。これらのチタンの低級ヨウ化物はすべて, TiI4(g) を発生して, おのおのつぎの反応式で示されるdisproportionationを起す。<BR>(a)2TiI3(s)=TiI2(s)+TiI4(g)<BR>(b)3TiI2(s)=2TiI(s)+TiI4(g)<BR>(c)4TiI(s)=3Ti(s)+TiI4(g)<BR>これらの反応に対する熱力学的数値を求めた。なお金属チタンとヨウ素から各種低級ヨウ化物生成の機構をも考察した。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 64 (1), 129-137, 1961

    The Chemical Society of Japan

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