無水モリブデン酸を含む酸性クエン酸浴の錯化学的考察

今永 広人, 小村 昭寿

doi:10.1246/nikkashi1898.68.4_601

無水モリブデン酸を含む酸性クエン酸浴の錯化学的考察

DOI Web Site Web Site

今永広人

金沢大学工学部
小村昭寿

金沢大学工学部

書誌事項

タイトル別名

Complex-chemical Studies on Acidic Citrate Solution Containing Molybdic Acid Anhydride
ムスイモリブデンサンオフクムサンセイクエンサンヨクノサクカガクテキコウサツ

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説明

導電率測定法,吸光光度計法およびポーラログラフ法により,無水モリブデン酸-クエン酸ナトリウム混合溶液中における錯体の組成,イオン価ならびに,それらのpHによる安定度の変化を求めた。<BR>その結果, pH4～4.5で, 無水モリブデン酸対クエン酸ナトリウムが2:1のモル比で錯体が存在することを認め, そのモル導電率からイオン価3で,分子式はNa₃(M0O₃)₂C₆H₅O₇・xH₂Oと推定した。この錯体はpH3.5～4.5で安定であるが, pH3.5以下の酸性で不安定となり, 分解が起こることを認めた。また, 前報の結果と考えあわせて, 酸性クエン酸浴からのニッケル・モリブデン合金電着における電流効率は錯体の安定なるときに高く,不安定な状態で低くなることが判明した。