アクリロニトリルの溶剤としての塩化亜鉛-塩化ナトリウム水溶液の二,三の性質

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  • II. Properties of an Aqueous Solution of the Salt Mixture of Zinc Chloride and Sodium Chloride as a Solvent for Acrylonitrile

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説明

塩化亜鉛水溶液および塩化亜鉛と塩化ナトリウムとの混合塩水溶液に対するアクリロニトリルの溶解度を,25℃ において測定した。その値は全塩濃度が増すに従い初めは徐々に下降し,全塩濃度25~35%(wt)で最低値となるが,その後は上昇し,45%近傍以上で水に対するより大となる。そして塩化ナトリウム混合比が高いほどその最低値は小さく,かつ最低値を与える全塩濃度は高濃度側にずれる。また同一全塩濃度におけるアクリロニトリルの溶解度は低下し,たとえば60%の水溶液では塩化ナトリウムを含まぬ場合にはアクリロニトリルと自由に混合するが,塩化ナトリウムを20%含有する場合には,僅か10%程度しか溶かさない。このアクリロニトリル溶解現象を[ZnCl4]2-を主体とする亜鉛のクロル錯イオンと関連させて説明を試み,ニトリル基の亜鉛への配位は,アコ錯イオンにおいてでなく,この錯イオンにおいて生ずるのであると考えた。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 67 (2), 353-358, 1964

    The Chemical Society of Japan

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