ブラジル産リン酸アルミニウム鉱の電熱還元法による処理

書誌事項

タイトル別名
  • The Treatment of the Aluminum Phosphate Ore of Brazil by the Electro-Thermal Reduction Process

抄録

ブラジル産リン酸アルミニウム鉱の利用法を探究する目的で,電熱還元法による処理について実験を行なった。カーボンを還元剤とする還元バイ焼法の実験結果より,鉄分の少ない鉱石の場合は1400℃ 以上で大部分のリンが揮発するが,鉄分の多い鉱石の場合はFe2Pが形成されるため,1600℃ でも30%以下の揮発しか行なわれないことを知った。カーボンを還元剤とするカルシウム・アルミネート法の実験については,添加石灰量,焼成温度,アルカリ押出液の組成などを種々変じて,好条件の探求を行なった。その結果1600~1650℃ の加熱処理で,鉄分の少ない鉱石の場合は大部分のリンは,揮発するが,鉄分の多い鉱石では大部分のリンはFe2Pの形で,焼成物中に残ることを知った。一方において添加石灰量がCaO/Al2O3(モル比)で1:1の場合は,CaO・Al2O3が形成され,これを炭酸ナトリウムとカセイソーダとの混液で抽出すると,鉄分の少ない鉱石ではアルミナの押出率98%を示した。したがって電気の廉価な場所では,このカルシウム・アルミネート法は鉄分の少ない鉱石の処理法として有望と思われる。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 69 (6), 1109-1112, 1966

    The Chemical Society of Japan

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