スチレン-ブタジエン共重合ゴムのアルデヒド架橋におよぼす水分の影響

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タイトル別名
  • Effects of Water on the Cross-linking of Styrene-Butadiene Rubber with Aldehyde

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説明

一般に,SBR(スチレン-ブタジエン共重合ゴム)の補強剤として用いる含水ケイ酸中の水分が,イオウ加硫の反応速度を早め,かつ加硫ゴムの物理性質に影響をあたえることが知られている。アルデヒド類によるゴムの架橋反応においても,α-ポリオキシメチレンは水と会合してカルボニルカチオンに解離して,架橋反応をおこすと考えられる。そこで,アルデヒド架橋において,水分が反応速度および架橋ゴムの物理性質におよぼす影響をしらべた。本報では,α-ポリオキシメチレンと塩化スズ(II)を用いたSBR配合ゴムに,充填剤を変えた場合について,水分を0.2~21.3g/100gゴムと変量した。充填剤としては前報においてもっとも効果がみられたHAFブラック(シースト#305)と含水ケイ酸(ニプシールVN3)を用いた。その結果,水分の添加量が多くなるほど架橋反応速度がおそくなり,この影響はカーボンブラックへの場合の方が含水ケイ酸の場合に比べて大きいことを知った。架橋ゴムの引張り強度は,水分の添加によって低下する傾向を示した。しかし,0.25~0.5g/100gゴムの水分量で引張強度に最高値がみられたが,これは少量の水分が充填剤粒子のゴム中への分散効果を示したものと考えられる。また,引張応力,永久伸び,摩耗抵抗,屈曲抵抗などの性質は水分の添加量が多いほど,充填剤の種類に関係なく,低下の傾向を示した。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 67 (11), 1971-1975, 1964

    The Chemical Society of Japan

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