金属ステアリン酸塩安定剤のポリ塩化ビニルの熱分解着色に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The Effects of Metal Stearates on Discoloration of PVC

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説明

ポリ塩化ビニルの安定剤として,金属ステアリン酸塩を用い,その熱分解着色に及ぼす影響を研究した。着色は500~530mμ の光による反射率で求めた。空気中ではステアリン酸カドミウムもバリウムも着色を抑制する。窒素中ではステアリン酸カドミウムはいくらか抑制するが,空気中の方がその能力は大きい。ステアリン酸バリウムは,ほとんど着色を抑制しない。また着色したPVCにこれら安定剤を添加し,その色の変化をみたが,酸素の存在下では脱色され,安定剤はそれを促進させる。これらの結果から,これら安定剤は酸化によるポリエン構造の破壊に触媒的に働き,それによって着色を抑制する作用をもつと考えられる。ただし,この安定剤の作用のみですべての安定化機構を説明することは困難であると思われる。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 65 (3), 396-398, 1962

    The Chemical Society of Japan

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