β-ハロプロピオンアミド類とスズとの直接反応による有機スズ化合物の合成

書誌事項

タイトル別名
  • The Syntheses of Organotin Compounds by the Direct Reaction between β-Halopropionamides and Tin Foil
  • ベータ-ハロプロピオンアミドルイ ト スズ ト ノ チョクセツ ハンノウ ニ ヨル ユウキ スズ カゴウブツ ノ ゴウセイ

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抄録

β-ハロプロピオンアミド類XCH2CH2CONRR'(X=Br,I;R=H,CH3,C2H5;R'=H,CH3,C2H5,C6H5,C6H5-CH3)とスズ箔とをMgなどの添加剤の存在下に130~145℃ で反応させた。得られた有機スズ化合物は再結晶法によって単離し,X2Sn(CH2・CH2CONRR')2型の化合物であることを確認した。C-アミド基を持つこれらの生成物は,融点が高く,無極性溶媒には一般に溶けにくかった。<BR>IRスペクトルでは,X2Sn(CH2CH2CONRR')2型化合物のアミド基の吸収位置がその原料のハロアミドよりも長波長側ヘシフトしていることが観察された。<BR>X2Sn(CH2CH2CONRR')2(X=Br,Cl)はX2Sn(CH2CH2CONRR')2(X'=I,Br)をアルカリ処理し,続いてHX酸を中和点以上に加えることによってハロゲン交換して合成した。この場合,ハロゲン交換はI→Br→Clの方向へは行なうことができたが,その逆の方向すなわちCl→Br→Iへは行なうことができなかった。<BR>CONH2基を持つ化合物では,NaOH水溶液によって常温でカルボン酸誘導体に加水分解された。スズ化合物中のCONH2基はアルカリに対して不安定であった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 70 (5), 714-718, 1967

    The Chemical Society of Japan

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