カルボキシメチル化デンプンの電気泳動的研究

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タイトル別名
  • Electrophoretic Behavior of Carboxymethylated Starch
  • カルボキシメチルカ デンプン ノ デンキ エイドウテキ ケンキュウ

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説明

デンプンを有機溶媒中でカルボキシメチル(CM)化することにより,デンプン粒子を水可溶性の高分子電解質とし,その電気泳動的測定を行なった。まずデンプンおよびデンプン粕のアルカリ化およびCM化反応の度合をアルカリ量,粘度,超遠心法により検討し,最適の反応条件を求め,エタノール媒体中でエーテル化度(DS)0.8前後のCM化デンプンおよびデンプン粕を得ることができた。さらに各種デンプンのCM化物について電気泳動を行ない,泳動図形を比較した結果,1ピーク形(ジャガイモデンプン),中間形(コメ,ムギデンプン)および2ピーク形(トウモロコシデンプン)の三種に分類されることを見出した。一一方,沈降図形はむしろ逆の傾向を示し,原料デンプンによる差異が泳動図形に顕薯に反映されることを認めた。またCMデン方プンのDSと電気泳動移動度uとの関係は,経験的にu=alogDS+b(a,bは常数)の形で表現されることを見出した。そこで泳動図形からu分布を求め,さらに上の関係式を利用してDS分布を求める方法を提案し,二,三の実例についてこのようにして求めたDS分布から計算した平均DSと実測のDSとが互によく一致することを示した。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 72 (2), 532-538, 1969

    The Chemical Society of Japan

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