塩基酸および二塩基酸のシクロヘキサノールエステルのガスクロマトグラフィー

書誌事項

タイトル別名
  • Simultaneous Gas Chromatographic Determination of Cyclohexanol Esters of Mono- and Di-basic Carboxylic Acids

抄録

シクロヘキサノールの一塩基酸および二塩基酸エステルを合成し, ガスクロマトグラフィーによる分析法を研究した。この種のエステルは沸点も高く, かつ一塩基酸ノールエステルと二塩基酸ノールエステルとはかなりの沸点差もあって両者の混合物においては恒温ガスクロマトグラフィーでの分析は困難であったので,プレカット流路を組込んだ復流路ガスクロマトグラフィーを用いて実験した。すなわち一塩基酸ノールエステルの分析はプレカットカラムを一つの分離カラムの前に接続することによって,混合物中の一塩基酸ノールエステルより高沸点物質をガスクロマト系外に除去し,分離カラムで一塩基酸ノールエステルの分析を,他の一つの分離カラムは一塩基酸ノールエステルより高沸点物質の分析に適する低液相濃度カラムを用いて,この種の混合物中の高沸点エステルの分析を行なった。<BR>両カラムは同一恒温室中に併列に備え付け,それぞれのカラムの固定液相の種類および液相保持率をかえることによって,一塩基酸ノールエステルと二塩基酸ノールエステルとが同一温度で分析できるようにした。これにより,この種の混合物でも恒温ガスクロマトグラフィーによって,迅速に分析できる分析方法を見出した。<BR>さらに,上記したエステル類は,シクロヘキサンを空気酸化してシクロヘキサノール,シクロヘキサノン等を製造する際に副生物として生成する。そこで副生物中よりエステル部分を分離したのち,本法を適用して副生物中の各酸のノールエステル成分の定量を行ない満足できる結果を得た。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 68 (6), 1062-1066, 1965

    The Chemical Society of Japan

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