シクロヘキセンを原料とするアジピン酸の製造

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  • Adipic Acid from Cyclohexene

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説明

シクロヘキセンを出発原料とし,硝酸酸化によりアジピン酸を製造することを目的とし,反応条件を研究した。1)シクロヘキサノールの硝酸酸化:この反応において硝酸消費量はシクロヘキサノール1molにつき2.2~3molであり,アジピン酸収率が高くなる反応条件下においては硝酸消費量が少なくなることがわかった。2)シクロヘキセンの硫酸水和-硝酸酸化2段法によるアジピン酸の製造:硫酸水和反応で副生する黒色物質はシクロヘキセン中の微量過酸化物を除くことにより解決された。シクロヘキセンと硫酸の反応で上層に分かれてくる有機層を分離し,これよりシクロヘキセンを留去したものを硝酸酸化して92%の収率でアジピン酸を得た。3)シクロヘキセンの硝酸酸化によるアジピン酸の製造:過塩素酸添加濃度,反応温度,触媒濃度の変化に対し,それぞれアジピン酸収率72%,グルタル酸19%,コハク酸6%,油状物5wt%であった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 73 (8), 1841-1849, 1970

    The Chemical Society of Japan

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