部分アセタール化ポリビニルアルコールのヨウ素呈色

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タイトル別名
  • Color Reaction of Partially Acetalized Polyvinyl Alcohol with Iodine

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説明

ポリピニルアルコール (PVA) を水溶液の均一系で硫酸を触媒とし, ホルムアルデヒド, アセトアルデヒド, ブチルアルデヒドで, 水に溶解する程度に, 無秩序に部分アセタール化し, そのヨウ素呈色を調べた。使用した PVA は希薄水溶液ではヨウ素呈色を示さなかったが, アセタール化すると, アセタール化度につれて顕著な青色呈色を示した。その呈色の極大吸収波長は, アセタール化度が低い場合は 640~660mμ で, アセタール化度が増大するにつれて長波長側に移行した。ホルムアセタールの場合, 10mol% 程度のアセタール化で, 酢酸ビニルを低温重合したポリ酢酸ビニルから得られた PVA とほぼ同じ程度の呈色度に達することが分かった。アセタールの種類による効果はホルムアセタールがもっとも大きく, アセトアセタール, ブチルアセタールの順で減少し, 呈色度の温度依存性はアセトアセタールとブチルアセタールが大きく, ホルムアセタールがもっとも小さかった。これらの結果から, アセタール化による PVA のヨウ素呈色は, 水溶液中における PVA の分子運動の減少に基づくものと推論された。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 73 (2), 412-416, 1970

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (1)*注記

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