三臭化アンチモンによる<I>tert</I>-ブチルアルコールの分子内脱水反応に対する水の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Water on the Intramolecular Dehydration of <I>tert</I>-Butyl Alcohol with Antimony Tribromide
  • サンシュウカ アンチモン ニ ヨル tert-ブチルアルコール ノ ブンシ ナイ ダッスイ ハンノウ ニ タイスル ミズ ノ エイキョウ

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説明

あらかじめ反応系に水を添加した場合には反応の進行の途中で反応速度が増大した。この増速点では反応系の比電導度が増大した。水の添加量が 1mlから 10mlまで増大するにしたがって, 反応が増速点に達するまでに脱水された tert-ブチルアルコール (TBA) は約 27% [(生成オレフィン/使用TBA)mol×100] (触媒 1mol に対して脱水された TBA が 4mol に相当) 値から次第に低下した。添加量が 10ml 以上では増速点は消失した。脱水反応速度に対する水の影響を検討した結果 logk と log[H20]との間にほぼ良好な直線関係がえられた。この関係から水の関与次数として1反応 (反応開始から増速点までの過程) では約 0.3, 反応 (増速点以降の過程) では約 0.2 がえられ, それらの符号はともに負であった。反応次数は両反応過程とも TBA 濃度に対しては1次,触媒濃度に対しては I 反応過程では約3次, II 反応過程では約3.4次であった。反応系に, 副生する水を捕捉する試薬を添加した場合には増速点は認められなかった。そしてその速度式は TBA および触媒の各濃度に対しておのおの1次であることが判った。これらの結果から, 本反応の機構に対する水の作用を考察した。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 74 (9), 1851-1855, 1971

    The Chemical Society of Japan

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