書誌事項
- タイトル別名
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- Mechanism of Coagulation of Humic Acid in Presence of Metal Ion Coagulants at Low pH Values
説明
フミン酸と金属イオン凝集剤との相互作用の機構を明らかにするために, 酸性 pH 領域におけるフミン酸の凝集挙動を調べた。凝集剤としては, 塩化第二鉄, 塩化アルミニウム, 硝酸クロムおよび過塩素酸2核クロム錯体を使用した。塩化アルミニウム凝集剤の場合, 三つの独立した凝集領域, すなわち, フミン酸凝集領域, 通常, 水処理に利用される凝集領域および, pH4~5 付近の第三の凝集領域 (B) の存在が観察された。凝集領域 (B) においては, アルミニウムイオンとフミン酸の沈殿する pH 領域はよく一致するが, 両者の残留率は一致しない。また, この pH 領域は Al(OH)2+ イオンが主として存在する pH 条件とよく対応する。<BR>類似の凝集領域は第二鉄塩やクロム塩を凝集剤とした場合にも存在し,それぞれ, Me(OH)nα+ や Me2(OH)a'n'+の存在する pH 領域とよく対応した。また, OH- をもたない金属イオン Mex+ が主として存在する領域では凝集領域 (B) は観察されなかった。以上の結果は, フミン酸と金属塩凝集剤との間の相互作用の中に, 静電気力によるものと錯形成反応によるものの他に, 金属イオンに結合した OH- とフミン酸の官能基 (-COOHなど) との相互作用があり, これが凝集反応において重要な役割を果すことを示すものである。
収録刊行物
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- 工業化学雑誌
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工業化学雑誌 73 (5), 874-878, 1970
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205134628096
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- NII論文ID
- 130004279063
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- ISSN
- 21850860
- 00232734
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可