炭化水素の異性化および水素化分解の反応機構

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanism of Isomerization and Hydrocracking of C<SUB>4</SUB>-C<SUB>8</SUB> Paraffinic Hydrocarbons over a Tungsten Oxide-Alumina Catalystunder High Pressure of Hydrogen
  • サンカ タングステン-アルミナ ショクバイ ニ ヨル C4 C8 パラフィンケイ タンカスイソ ノ イセイカ オヨビ スイソカ ブンカイ ノ ハンノウ キコウ

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説明

加圧水素存在下において酸化タングステン-アルミナ触媒によるC4~C8の各種パラフィン炭化水素化の異性化および水素化分解について検討した。実験は小型加圧固定床流通式反応装置を用いて,反応温度340~440℃,反応圧50kg/cm2の範囲で行なった。<BR>n-パラフィン系炭化水素はすべて異性化の方が水素化分解より速やかであり,反応はつぎのようなカルボニウムイオン機構で進n-行すると考えられる。最初に炭化水素の水素原子がH〓にして酸化タングステンのL酸点にはいることによりカルボニウムイオンを生成する。<BR>異性化反応はカルボニウムイオンへのメチルアニオンの移行によって起こるが,カルボニウムイオンの近くにあるメチル基は移行し難く,反応分子の炭素原子の中でカルボニウムイオンに対して6~7番目に位置するメチル基がとくに移行し易い。その容易さは次のとおりである。ただし,riはカルボニウムイオンよりi番目にあるメチル基の移行速度を意味する。r3:r4:r5:r6:r7=1:4:8:16:16<BR>水素化分解はカルボニウムイオンのβ開裂によって起こり,その分解速度は分解により生成するカルボニウムイオンの安定性により強く影響をうける。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 73 (12), 2587-2593, 1970

    The Chemical Society of Japan

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