還元銅による第ニアルコールの脱水素反応(第2報)lメントール,シクロヘキサノールの接触的脱水素

書誌事項

タイトル別名
  • Dehydrogenation of Secondary Alcohols with Reduced Copper. II. Catalytic Dehydrogenation of 1-Menthol and Cyclohexanol

この論文をさがす

説明

前報において還元銅触媒はイソボルネオールに対して脱水素作用のみを呈することを明らかにした。本研究は第ニアルコールに対するこの還元銅の一般的特性を見いだすため,レメントール,シクロヘキサノールを用いて,触媒作用を比較検討した。還元銅は硝酸銅の温水溶液に過剰の温希水酸化ナトリウムを加えて沈殿した酸化銅を,よく水洗して乾燥してから170°~180°Cで水素気流の緩慢な状態で還元した。このようにして得た触媒を用い,反応温度220°Cで,試料の流速6~10g/hrで作用した。その結果・l-メントールからは主としてメントン(74%)を,シクロヘキサノールからはシクロヘキサノン(63%)を生成し(メントンは1-メントンとd-イソメントンの混合物からなる),そのほかに少量のチモ一ル,フェノールをおのおの生成した。環状第ニアルコールに対して,この種の触媒は対応するケトンに主として脱水素し,わずかであるがシクロヘキサン環の脱水素をともなう。なお脱水反応のような副反応は起さない。また脱水素の程度はアルコールの構造,触媒の調製方法,反応条件によって異なることを認めた。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 80 (6), 681-686, 1959

    The Chemical Society of Japan

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ