硫酸バナジルと過酸化水素の反応初期過程のESRによる研究

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タイトル別名
  • Electron Spin Resonance Studies on the Reaction between Vanadyl Sulfate and Hydrogen Peroxide

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説明

酸性水溶液(pH≤3)中における硫酸バナジルと過酸化水素の反応の初期過程を,迅速混合流通-ESR法を用いて調べた結果, g=2.0116付近に8本の微細構造を有するスペクトルを見いだし,これをVO2+イオンに配位したヒドロペルオキシルラジカルと同定した。<br> ついで,このラジカルの生成あるいは消失の動態を,種々なpHで,かつ有機配位子(または基質)あるいは金属イオンの共存下,それぞれ追跡し,かなり安定なラジカル種であうるとの知見を得た。たとえば, Ti3+-H2O2あるいはFe2+-H2O2系で生成するラジカル種は, VO2+の添加により「スカベンジ」され,基質として加えたアスコルビン酸は,遊離のHOあるいはHO2ラジカルと反応すると考えられる。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 92 (4), 304-309, 1971

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (3)*注記

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